アイスショーで夏涼み

少し前に都内で行われたアイスショーに行ってきました。座長(?)は解説でおなじみ八木沼純子氏。ゲストは、荒川静香、太田由希奈、村上佳菜子、小塚崇彦、羽生結弦、町田樹、南里康晴、など豪華な顔ぶれ。

試合後のgalaでなく、純粋なショーというのを生で初めて見ましたが、リンクが狭い上に、内側に「エキサイティングシート」と呼ばれる特別席を設けているので、とにかく選手が近く感じられました。ただ、ショーの演出は、賛否両論かと。。。八木沼氏率いるチームが色々と工夫を凝らしたパフォーマンスを披露してくれるのですが、奇抜な衣装以外の大きな目玉がなかったような。。。でも、チームの方々の滑りを挟むと、一流選手が何気なくやっている技がどれだけ難しいものか、そして技のパッケージを音楽に乗せて魅せることがどれだけ技術を要するかをうかがい知ることができます。イーグル、レイバックスピン、スパイラル・・・。これらができない一流選手はシングルではあまり見かけませんが、これらの技を美しく魅せることって、すごいことなんだなーと感慨深くなりました。

期待通りだったのは、荒川静香氏というまでもなくコヅ君でした。荒川氏の滑りを生で見たのは初めてでしたが、上手いの一言。つなぎの部分が濃いんですね。イナバウワーのすぐ後にトリプルトーを跳んだりするんです。助走なしで跳べるということは、おそらく今でも2連続3回転は健在なんだろうと想像します。それから、世間ではイナバウワーで知られる彼女ですが、私が感動したのはスパイラルとバッククロスでした。全然漕いでる感じがないのに、男子並みに速い!テレビの解説で以前佐藤由香さんが言っていましたが、いやはや本当に速かったです。でもただ滑っているのではなくて、小刻みにステップを入れながらなので、すごいスケーティングが上手いんだろうな~と惚れ惚れしていたら、あっという間に演技が終わってしまいました。

コヅ君は、もう次元が違いました。新プログラムだったので、これから滑りこんでいくのだろうという感じはありましたが、全ての動きが美しく、もうメロメロでした。近くにいた方々も皆、彼の演技後すごすぎて唸っていました。「表現力がアップしたからねぇ」とまるで近所の男の子の成長をたたえるようなご婦人の言葉も、外れていないなと思いました。昔から足元は天下一品だったけれど、最近は腕の動きがしなやかになったなーと思いませんか?上半身の使い方って大事なんですね。

上半身と言えば、村上選手の姿勢の悪さは前にもブログで書きましたが、生で見るともっと気になってしまいました。でも、とにかくかわいくて、愛らしい雰囲気が天性の光るものを物語っていました。姿勢と関わっているのでしょうが、クロスが美しくなって、もう少し漕ぐ回数が減ると、ぐっと洗練されるんだろうなーと勝手なことを思いました。モノの本によると、クロスは最も奥の深い動きで、何年も何十年もかけて鍛練するものらしいので、今後の彼女が期待ですね。

町田樹選手が、意外に良くて嬉しいびっくりでした。スタイルがいいし、滑りがきれいでした。演技ではルッツが抜けてしまったのですが、フィナーレで挑み、きちんと決めてきた根性も気にいりました。私の隣に座っていた女性は町田選手の熱烈ファンらしく、演技終了後は一人スタオベしてました。ショー終了後もプレゼントを渡し、手を握ったまま何やらたくさん話しかけていました。私なんて、コヅ君を見守ることしかできないのに(ショー終了後に写真を撮っていて、一瞬目が合ったと思った時には心臓が口から出るかと思ったわん)。あーゆう勇気が私も欲しい。

今回の地震で被災した羽生選手も良かったです。彼の演技を見るのは2回目でしたが、1回目には分からなかった魅力のようなものを感じました。正直、彼の演技は好みではないのですが、スタイルの良さや独特の雰囲気は、やっぱり特別なんだろうなーと改めて思いました。フィナーレではお約束の4回転挑戦。見事成功!ハートの強さも一流の証ですね。

いい加減、書くのやめたら?と言われそうですが、あともう一人だけ。今回のショーで(コヅ君を除いて)最も輝いて見えたのが太田由希奈氏でした。彼女のスケーティングは、全然氷を削る音がせず、常に足が動いていました。指先まで神経が行き届いていることが、客席まで伝わってきました。そしてスピンや一つ一つの技がきれい!彼女のイナバウワーがすごすぎて、荒川氏の時に感動できなかったのかもしれません。本当に素晴らしかったのです。

ただ、彼女の致命的な欠点はジャンプが跳べないこと。ショーでもトーループさえもダブルになっていました。現役時代に確か足首を痛めてしまい、トリノではメダルも期待されていたのに、代表にさえ選ばれませんでした。試合ではジャンプが跳べないというのは本当に致命的なんですね。彼女の演技を見るまでは、なぜアイスダンスに転向しなかったのかと疑問に思ったこともありましたが、今は納得です。ジャンプを除けば、彼女は本当に素晴らしい技術を持ったスケーターであり、何よりシングルスケーターとしての華があるのです。彼女自身も意地があったのかもしれません。でもショーなら、ジャンプがなくても十分魅せることができます。また見たいと思いました。

フィギュアスケートを習うのはお金がかかるので、選ばれた者たちのスポーツであることはよく言われますが、スケート鑑賞も結構出費がかさみます。でも、とってもddictive。名古屋のthe iceを観に行く夢を見ました。「be crazy about・・・」で・・・に夢中というのはよく言ったものです。

おまけ:津軽三味線でおなじみの南里選手の美しいトリプルルッツが見られて、嬉しかったです。ちょっと泣きそうになりました。引退した選手って、どこか儚げです。