カジュアルinputとシリアスinputのバランス

タイトルに書いたinputはoutputにも置き換えられます。

博論のためにこれまでにないスピードで色々な専門書や論文を読み、それらから得た知見を統合し、展開していく作業を数カ月せっせとやっていました。博論が終わってからも、仕事の性質上、専門外ではありますが、海洋科学や国際経営などに関する文献を読んでいます。これらを仮にシリアスなinputとしましょう。

一定量の水には一定量の砂糖しか溶けないように、脳味噌のシリアスinput許容量は、結構限られているように思います。研究は教育のため、教育は研究のため(私は断然前者の方が比重があるけれど)であるひらみえは、博論と仕事で上半期のシリアスinputが満タンになった模様です。

クリ男が帰省し、一人の時間が増えたのをいいことに、ここ数日で2冊も単行本を買ってしまいました。日ごろ小説やエッセイを買うことはほとんどないのですが、電車の遅延等々の事情が重なり、衝動買いしたのでした(こういう衝動買いをなるべく控えないと、我が家は本屋敷になってしまう。)。これらの書物をここではカジュアルinputとします。

1冊は、映画化された角田光代氏の『八日目の蝉』。もう1冊は村上春樹のエッセイで、『村上ラヂオ』。前者は、映画を観る前にぜひ読んでみたいと思っていました。物語後半の展開にちょっと首をかしげるところもありますが、あっという間に読めました。映画は、永作博美と井上真央という実力派女優の好演が評判になっていますね。タイミング的にDVDかな。期待が高まります。後者は、昔雑誌の連載で断片的に読んでいたのですが、彼のエッセイはとても好きで、久しぶりに頭をからっぽにしたかったので、選びました。1テーマ4ページと短いので、何かの合間に簡単に読めていいです。昔読んだエッセイと関係深いテーマもあって、とても楽しめました。あー、カジュアルinputってさっさと読めるし、眠気も覚めて最高!

そして、昨日tsutayaで久しぶりに邦画を借りました。クリ男不在の時にまとめて邦画を見るのです。昨日見たのは『ノルウェイの森』。ちょうど博論をやっていて、劇場で見ることが叶いませんでした。感想はというと、風景の美しさと大学で闘争が盛んだったころの雰囲気ってこんな感じったんだろうなあと思わせる現実の非現実感みたいなものが素敵でした。そして、緑ちゃん(ヘビがだめぇ~、うなぎもだめぇ~♪と歌っている彼女ですね)がとても良かった。もう少しふくよかなイメージだったけれど、不幸で現実感漂いながら健康的で明るい彼女は、ハマリ役だと思いました。そして、ワタナベ君を演じた松山ケンイチも「若い時の村上春樹ってこんな感じだったのでは」と思わせる雰囲気で、特に伏し目がちなところが◎でした。でも、キーとなる要素が随所で抜け落ちていたので、原作を読んでいれば行間を埋めることができるけれど、映画が初だと単なる官能的な映画で終わってしまうかも、という気もしました。村上春樹氏はどんな想いでこの映画を鑑賞されたのでしょうか。気になります。

話題が逸れましたが、村上春樹氏はカジュアルoutputとシリアスoutputを上手く使い分けている人だなあと思います。ある時は集中してシリアスな小説執筆に臨み、ある時はお気楽なエッセイを書く。そうやってバランスをとっているのでしょう。比較になりませんが、ひらみえも論文を読んだり、小説を楽しんだり、あるいは論文を書いたり、こうしてブログをつらつら書いたりしています。